• テキストサイズ

▽▲ 大人ノ玩具箱 ▲▽【イケメン戦国】(R18)

第11章 ▲月華美人▽ *明智光秀* -弐-




それがあまりに自然で、ハナは促されるまま、縁側へ腰かけた。

ハナの隣に、光秀も同じく腰掛ける。
そして懐から、小さな皿のようなものを取り出した。

「呑めるか?」

もう一方の手を掲げて見せた。
気付かなかったが、そこには小さな酒瓶が一献、握られていた。

「少しなら…」

盃を受け取ると、それをすぐに縁側においた。
そして酒瓶に手を伸ばす。
光秀が小首を傾げて、ハナを見た。

「お酌を、させてくれませんか?」

光秀の表情がふっと和らぐ。
何も言わずに、酒瓶をハナへ手渡した。

光秀が差し出した盃へ、トクトクと音を立てて酒を注ぐ。

その水面に月が浮かんだ。
光秀を見上げると、その黄金の瞳もまた、盃の月を見つめていた。

「月見酒!」
「まさしくな」

どちらともなく、小さく笑い合っていた。


/ 292ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp