▽▲ 大人ノ玩具箱 ▲▽【イケメン戦国】(R18)
第11章 ▲月華美人▽ *明智光秀* -弐-
それがあまりに自然で、ハナは促されるまま、縁側へ腰かけた。
ハナの隣に、光秀も同じく腰掛ける。
そして懐から、小さな皿のようなものを取り出した。
「呑めるか?」
もう一方の手を掲げて見せた。
気付かなかったが、そこには小さな酒瓶が一献、握られていた。
「少しなら…」
盃を受け取ると、それをすぐに縁側においた。
そして酒瓶に手を伸ばす。
光秀が小首を傾げて、ハナを見た。
「お酌を、させてくれませんか?」
光秀の表情がふっと和らぐ。
何も言わずに、酒瓶をハナへ手渡した。
光秀が差し出した盃へ、トクトクと音を立てて酒を注ぐ。
その水面に月が浮かんだ。
光秀を見上げると、その黄金の瞳もまた、盃の月を見つめていた。
「月見酒!」
「まさしくな」
どちらともなく、小さく笑い合っていた。