▽▲ 大人ノ玩具箱 ▲▽【イケメン戦国】(R18)
第3章 ▼華ニハ蜜ヲ△ *石田三成ルート*
二人で朝餉をとっている間も、ハナの胸は落ち着きなく早鐘を打ち続けていた。
ともすれば、熱いため息をついてしまいそうになり、息を堪えては息苦しさに深呼吸を繰り返す。
はっきりいって、食事の味などわからない。
ただひたすら、事務的に口へ運んでは飲みこんだ。
そうして、目の前の三成をそっと伺い見た。
書庫から出てきた三成の手には当たり前のように読みかけていた戦術書が握られていたが、食事が済むまではとハナに取り上げられた。
だから今は、食事にだけ集中している。
こうしてみると、所作振る舞いも優雅で、溜息をつきたくなるほど美しい。
ハナの視線に気づき、三成がにこっと微笑みを返した。
「どうかしましたか?」
「ううんっなんでも…っ!ごめんね、じっと見ちゃって………三成くん、今日は美味しそうに食べるなぁと思って」
いつもならば、書物を片手に食事を詰め込むようにして食べるばかりで、秀吉や政宗から注意されることもしばしばの三成だが、今日はやけに上機嫌で食事を進めていた。
言われた三成も、不思議そうに自分の手元を見る。
「そうなんですよ。なぜでしょうか、今日はやけに美味しく感じられて…」
そういうと、三成がハナに向かって嬉しそうに言った。
「きっと、ハナ様がいてくださるから、でしょうね」
――― ッドクン
頬が、熱い。