▽▲ 大人ノ玩具箱 ▲▽【イケメン戦国】(R18)
第8章 ▼華ニハ蜜ヲ△ *織田信長ルート*
二人の天主に、朝日が差し込む。
その光が、ハナの笑顔をやさしく照らした。
朝日の中で煌めいて。
その輝きは強くとも、信長は瞳を閉じることなく見つめ続けた。
「夜が明けた…」
「そうですね」
つと、ハナが立ち上がる。
大きすぎる長羽織を引きずらぬように持ち上げながら、張り出しの前で振り返る。
張り出しの向こう、朝日が登り始めたその空模様。
そこに、長羽織の文様が溶け込んでいく。
ハナが、振り返りながら、その身を広げた。
「信長様っ!ほら、やっぱり夜明けのよう!」
嬉しそうに羽織を広げる。
――夜明けは、どちらか…
独り言ち、信長もまた立ち上げる。
そしてハナの体を、後ろから抱きしめた。
朝日が照らす、天主の中で。
二つの影はいつまでも、ひとつに重なり続けた。
ーfinー