▽▲ 大人ノ玩具箱 ▲▽【イケメン戦国】(R18)
第8章 ▼華ニハ蜜ヲ△ *織田信長ルート*
口付けながら、信長の両手がハナの背に回り、器用に帯を解いていった。
帯が落ち、腰紐も抜き取られ、小袖も襦袢もその肩から落とされる。
月明かりの下、晒される白い肌。
記憶の中の熱が再び勢いを得て、その躰までも上気させるが、それが一層、ハナの白磁の肌を際立たせる。
その肌から、甘い香りが立ち上る。
それは紅蜜華とは異なるもので、信長の猛る感情を宥めていった。
「…良い香りだ。やはり、貴様の香りが心地よい…」
香りに誘われるかのように、信長の口唇がハナの顎を伝わり降りて啄んで、その首筋に辿り着く。
ハナの躰を抱きしめながら、その首筋に顔を埋める。
甘えるようなその仕草に、ハナの胸に愛しさが溢れた。
信長の頭を両手で抱きしめ、髪を梳く。
「信長様…」
温もりを求める様に、ハナの手が信長の髪から滑り落ち、袷から覗いた胸元へとそっと這う。
――トクトクトクトク…
掌に、信長が息づく確かな鼓動を感じ取る。
もっと近づきたくて、無意識のうちに信長の袷からその手を差し入れ、胸元深くへ触れていった。
ハナの首筋から信長の静かな笑い声がした。
「何をしている?」
「……触れたくて」
至極自然に、素直な言葉が口をつく。
信長がハナの首筋から顔をあげ、視線を静かに絡ませる。
「貴方を、温めてあげたくて…」
もう一度、素直に言葉を口にする。
その視線は、希(こいねが)うように紅玉の瞳を見つめていた。
信長が、声を上げて、笑う。
「俺の全てを温めると言ったな」
言うなり、勢いよく立ち上げる。
立ち上がるなり、腰紐を器用に解かし、抜き去った。
肌蹴る着物を脱ぎ棄て、一糸纏わぬ信長が、にやりと笑い、ハナを見下ろす。
「その言葉、努々違えるではないぞ」