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第8章 ▼華ニハ蜜ヲ△ *織田信長ルート*
耳元で、囁くような低い声。
その声が、ハナの背筋を甘く伝う。
「そ…のっ私…そんなつもりでは…あのっ」
頬を紅く染めながら、ハナがおずおずと顔を上げる。
上げた途端。
唇に、温かく柔い感触落ちてきた。
ちゅっと音を立て、それはすぐに離れていった。
―――トクン。
ハナの鼓動が切なく、高鳴る。
「ん…っ」
「紅蜜華は抜けたか?」
温かな手が、ハナの頬を優しく包み込む。
―――トクトクトクトク。
その手の感触に、ハナの胸は歓喜に震えた。
心地よい鼓動…
そっと手を胸元へ添え、手のひらで鼓動を感じる。
「抜けてなんてないです…だって…」
ハナが頬に触れる信長の手に、自分の手をそっと重ねる。
(だってこんなに……胸が、苦しい…)
「少なくとも、香りは消えた…だが」
見上げれば、優しい紅玉。
その瞳が、今は穏やかに、温かく感じられる。
「貴様への言葉を違える気には到底なれん」
囁く声が、とろりと、甘い。
「俺は貴様を愛している…」
その腕が、ハナの背に回り、細い体を抱きしめる。
「――貴様の全て、俺に差し出せ」
「……捧げます」
鼓動が示す、その先へ。
広く大きく、強く優しいその背中を、そっと抱きしめ返した。
こんなに強く感じているから。
「貴方の全てを、温めさせて……」