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▽▲ 大人ノ玩具箱 ▲▽【イケメン戦国】(R18)

第8章 ▼華ニハ蜜ヲ△ *織田信長ルート*





「……ハナ」



信長の手が、ハナの頬へ触れようとした刹那。

「――っ!」

ハナの瞳が強く閉じられ、びくりとその身を震わせた。
思わず、信長の手が止まる。

「……俺が、怖いか?」
「――あ…っ」

ハナの瞳が開き、信長を見上げる。
その瞳には動揺の色が浮かんでいた。

「ち…ちが…っ」

しかし、言葉とは裏腹に、ハナの瞳から大粒の涙が零れだす。

「の、ぶなが、様…っ」

顔を隠すように、ハナが顔を信長の胸元へ押し付け、声を堪えて泣いていた。
その背中に、信長の手がそっと添えられた。

「ちがう…違うん、ですっ!信長様…私、嬉し、のに…っ!」
「ハナ…」



「…好きです…信長様、愛していますっ!」



涙に揺れる声を隠すように、ハナが叫ぶ。

「なのに…どうして…」







 貴方が 見えない。







いつしか、茜は沈み切り、張り出しの外を、静かに雨が降り出していた。
信長の耳に、その雨音がうるさく響く。







その音に紛れながらも、確かに信長の心に届いたその言葉。







小さく震えるその体を、信長の両手が優しく閉じ込めた。
そうして、深く、息を吐く。

「全くもって……下手を打った」
「……ごめ、な…さっ」
「貴様ではない……俺のことだ」

腕の中、ハナの躰は震えながらも、甘い香りを纏って誘う。
その香りのもたらす熱を、躰の奥に押し込める。

「紅蜜華の香りには、男を誘う効用がある。知っておっても、飲まれかけた」

腕の中、ハナが声を堪えて泣いていた。



「聴け……ハナ」



ハナの顎に手を添えて、できるかぎり、そっと持ち上げる。
多少の抵抗を見せながら、それでもハナは、促されるままに信長を見上げた。
頬を流れる涙を、信長の手が優しく拭う。

「飲まれかけたが、言葉までは奪われておらん……しかと聞け」
「信長様…」







「俺は貴様を――愛している」






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