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第8章 ▼華ニハ蜜ヲ△ *織田信長ルート*
ようやく信長の腕が緩み、開放されて大きく息をつく。
その胸に手を置いて、ハナは信長を見上げた。
「…なぜ、私に紅蜜華を…っ?」
なぜ、と問いながら、しかしその真意は理由など求めていない。
ハナの瞳から、信長はハナの問いの裏を読む。
「貴様がはっきりせんのが悪い」
「人のせいに、するんですかっ?」
「盃にもならん、夜伽も拒む……ならば、好いた場所で自由に咲けば良いと思った」
言の葉は突き放していても、ハナを見つめる紅玉が熱を持つ。
「何をもって、貴様の想いを汲み取れという」
「そもそも、人に勝手に媚薬を飲ませてはだめですっ」
その瞳から、ハナはそっと目を逸らす。
「――もし、私が信長様を選ばなかったら、どうしていたんですか…?」
信長の手が、ハナの顎の添えられて、その顔を自分の方へと向けた。