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第8章 ▼華ニハ蜜ヲ△ *織田信長ルート*
触れるだけの口付け。
―― ッドクン
「―――っ!?」
感じた瞬間、激しい鼓動が胸を打つ。
唇から全身へ、耐えがたいほどの熱を伝える。
「…っ、ぁ…はぁ…」
荒い自分の呼吸を、ハナはどこか遠くに感じながら聞いていた。
―― ドクドクドク…
(―なに…?…なんで…こんな…っ!)
耳の奥、うるさいくらいに脈打つ音が響く。
「…いい、香りだな」
差し出される手に、ハナの瞳が焦がれるように揺れる。
「……ハナ」
自分の名前を紡ぐその声に、鼓動はさらに早くなり、もはや痛みすら感じてしまう。
「これが、紅蜜華の効用か…」
「信長様…っ」
信長の腕が、ハナの背に回り、その身を力強く抱き寄せた。
その力に、ハナの口から吐息が漏れ、息を詰まらせる。
「――ふっ…ぁの、信長さ、ま…っ」
「…貴様は、うつけか」
抱きしめる腕を緩めぬまま、信長がハナの耳元で囁く。
その声もまた苦し気で…
「…うっつけ…て…っ!」
「貴様に宛がってやった彼奴等も不甲斐ないが…この俺を選ぶとは、うつけ以外の何だというのだ」
「…っそ、れをいうなら…っ!信長様だってっ!」
叫ぶなり、信長の胸を思い切り押しやった。