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▽▲ 大人ノ玩具箱 ▲▽【イケメン戦国】(R18)

第8章 ▼華ニハ蜜ヲ△ *織田信長ルート*





触れるだけの口付け。



―― ッドクン


「―――っ!?」

感じた瞬間、激しい鼓動が胸を打つ。
唇から全身へ、耐えがたいほどの熱を伝える。

「…っ、ぁ…はぁ…」

荒い自分の呼吸を、ハナはどこか遠くに感じながら聞いていた。

―― ドクドクドク…

(―なに…?…なんで…こんな…っ!)

耳の奥、うるさいくらいに脈打つ音が響く。

「…いい、香りだな」

差し出される手に、ハナの瞳が焦がれるように揺れる。

「……ハナ」

自分の名前を紡ぐその声に、鼓動はさらに早くなり、もはや痛みすら感じてしまう。

「これが、紅蜜華の効用か…」
「信長様…っ」

信長の腕が、ハナの背に回り、その身を力強く抱き寄せた。
その力に、ハナの口から吐息が漏れ、息を詰まらせる。

「――ふっ…ぁの、信長さ、ま…っ」
「…貴様は、うつけか」

抱きしめる腕を緩めぬまま、信長がハナの耳元で囁く。
その声もまた苦し気で…

「…うっつけ…て…っ!」
「貴様に宛がってやった彼奴等も不甲斐ないが…この俺を選ぶとは、うつけ以外の何だというのだ」
「…っそ、れをいうなら…っ!信長様だってっ!」



叫ぶなり、信長の胸を思い切り押しやった。


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