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▽▲ 大人ノ玩具箱 ▲▽【イケメン戦国】(R18)

第8章 ▼華ニハ蜜ヲ△ *織田信長ルート*



城へ戻ったハナは、部屋へ戻るその途中で、書庫を覗いた。

三成は相変わらず、そこで書物を読み耽っている。

こちらへ背を向け気付かない三成を、ハナはどこか懐かしむ思いで見つめ、そっとその場を後にした。



自室に戻り、裁縫道具を取り出す。
文机の上の乱れ箱から、縫いかけの長羽織を丁寧に取り出して、針山から針を一本摘まみ上げた。



時の鐘が、午の正刻(12時)を告げていた。



△▼△ ▼△▼ △▼△ ▼△▼ △▼△



――茜差す、天主の廊下。



ハナが手に何かを抱え、歩いていた。
信長の部屋の前まで来ると、大きくひとつ、深呼吸をする。

「…信長様っ入ります!!」

気合いを入れるかのように、一息でそう叫ぶと、返事も待たずに自ら襖を開いた。

開け放った部屋を見渡すが、そこには信長の姿はない。
全身からどっと力が抜け、へたり込みそうになった矢先。
ハナの耳に、声が届いた。



「――ハナか?なぜ、戻ってきた?」



声のする方へ、振り返る。

張り出しに繋がる扉は開かれ。
豪華絢爛を極めた部屋に、茜の夕陽が差し込んでいた。



斜陽を背に纏い、欄干に凭れるように、信長の姿がそこにあった。



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