▽▲ 大人ノ玩具箱 ▲▽【イケメン戦国】(R18)
第7章 ▼華ニハ蜜ヲ△ *明智光秀ルート*
「――あ、ぅっ!!!」
ハナが、痛みに思わず声をあげた。
ハナを抱きしめていた光秀の腕が、突然ハナの体を、湯船の縁に押し上げた。
あまりに乱暴なその所作に、ハナは強かに背中と後頭部を縁へとぶつけ、痛みに呻いた。
「光、秀…さん…っ?」
ハナの上に、光秀が覆いかぶさるように覗き込んでくる。
しかし、眼前にあるはずなのに、光秀の表情は白銀に隠れて伺うことができなかった。
「…ハナ…」
光秀の顔が、ゆっくりとハナの顔へ近づいてくる。
唇が触れあう、その直前。
「――っ!?」
――光秀の目が、瞬いていた。
光秀の口元を、ハナの手が、覆っていた。
「光秀さん…」
その瞳から、澄んだ涙が溢れていた。
「…どうして、ですか…光秀さん」
光秀の口元から手を離し、ハナはその頬に手を添えた。
「応えてくれはしないのに、どうして…口付けようとするんですか?」
「…ハナ…」
「貴方は…一体誰ですか?」
ハナの一言。
その一言で。
光秀の中の、何かが、割れた。
その唇が、ぞっとするほど妖艶な笑みを模る。
「では、ここにいる俺は何だ…?」
「光秀さん…っ?」
ハナの手を取り、その甲に口付けを落とす。
そうしてハナを見るその目は、情欲に濡れていて…
ハナの背筋に、悪寒が走った。