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▽▲ 大人ノ玩具箱 ▲▽【イケメン戦国】(R18)

第7章 ▼華ニハ蜜ヲ△ *明智光秀ルート*





「――…はぁぁ…」



温かな湯船の中、ハナが盛大に溜息をつく。
湯殿についてからも、女中たちの世話焼きは留まることを知らず。

湯着を着せられ、髪を清められ、背中を流され。

そうしてようやく解放されて、一人になれた。

湯船の中、白い湯着が海月のようにふわふわ揺れるのを、ぼんやり眺めていた。
いつの間にか、涙のことを忘れていたことに気付く。
温かな湯に浸かり、幾分か頭も働く。

そこでようやく、家康の言葉を思い出す。



――紅蜜華は、人の恋情に反応して効用が出る



「―――…恋情…っ」

その一言で、ハナの頭は思考をやめるように警鐘を打ち鳴らす。
けれども、別の意識があるかのように、家康の声が続けて脳裏に響き渡った。



――…肌に触れれば、動悸や発汗での興奮作用が現れる…



「…肌に…触れれ、ば…?」

警鐘はさらに響きを増す。
しかしその音の奥に、ハナは微かな違和感を見た。
それは蜘蛛の糸のように頼りない、ささやかな違和感でしかなかったが。

切れぬように、見失わぬように。

ハナは記憶の糸を、静かにゆっくり、辿っていった。


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