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第7章 ▼華ニハ蜜ヲ△ *明智光秀ルート*
光秀の御殿へ運ばれると、すでに光秀が指示していたらしく、湯殿の準備が整っており。
玄関では幾人かの女中が、手ぬぐいやら着替えやらを手にハナを待ち構えていた。
「光秀さん…なんですか、この周到ぶり…」
「さぁ、何のことだ?」
光秀は涼しい顔で、ハナを降ろし、女中らに引き渡した。
女中たちは慣れた手つきで、濡れたハナの髪を拭き、替えに用意された小袖を広げ、光秀ら男衆からハナの身体を隠し、濡れた帯を解いていった。
「あぁぁあのっ自分でそれはできます…からっ」
しかし女中らは、慌てるハナの姿を楽しむようにクスクス笑いながら、見惚れるほどの手際で濡れた小袖を脱がし、替えをさっと羽織らせた。
「あの…お手数おかけしてすみません。ありがとうございます」
「何を言っている、それで終いにするつもりか?――湯殿へ連れていけ」
上がり框に腰掛け、下男に足を洗わせながら、光秀が女中らに命じる。
「光秀さんこそ、そうしてくださ――…って、あの!?」
そんな会話を聞いているのかいないのか。
女中らは問答無用で、ハナを湯殿へ押しやっていく。
「あのっ光秀さん!?この方々、なぜ先ほどからおしゃべりもせず…っ」
「そうはしゃいでくれるな。それに、俺もすぐに行く」
「――今、何か言いましたっ?」
しかし、ハナの問いかけに答えが戻ってくる前に、ハナは湯殿へと連れ去られていった。
その一番後ろを行く女中が、チラリと光秀を振り返り、自分の胸元をトントンと叩いて見せた。
光秀が、小さく頷きそれに応える。
女は、心得たとばかりに微笑み、湯殿へと歩いて行った。