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▽▲ 大人ノ玩具箱 ▲▽【イケメン戦国】(R18)

第7章 ▼華ニハ蜜ヲ△ *明智光秀ルート*





どうやって、家康の腕を抜け出したのかわからない。
そもそも、家康があまり力を入れてなかったのかもしれない。

胸に光秀への書状を抱きしめて、家康を振り返ることなくハナは御殿を飛び出した。



ただひたすらに、大手道を駆け下りた。
いつの間にか、空を覆っていた黒い雲から、冷たい雨が降り出していた。



髪が、着物が、雨に濡れて肌に張り付く。

だけども、書状だけは大切に、懐深くにしまい込み。

ハナはただ、雨の中を走り続けた。



「――あっ!!」

ブツッという感触がして、途端にハナの体が、雨にぬかるんだ道に投げ出された。

「痛…っ」

見れば、鼻緒が切れていた。

大分長いこと駆けてきて、肩で息をするほど呼吸が荒くなっていた。
汗と雨で張り付く髪をかきあげて、周囲を見渡す。

そこは、政宗の御殿の側だった。

「…政宗の書状っ…置いてきちゃった…」

無我夢中で飛び出して、政宗の書状を置き去りにしてきたことを思い出す。
これでは、訪ねることもできない。

もとより、この姿では……

「何、やってるんだろ…私…」

雨脚はいよいよ強まり、ハナの体に打ち付け、その体温を奪っていく。
蒼褪めた唇を震わせる。



しかしそれは、寒さのせいではなく……


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