▽▲ 大人ノ玩具箱 ▲▽【イケメン戦国】(R18)
第7章 ▼華ニハ蜜ヲ△ *明智光秀ルート*
ハナの瞳が、涙に揺れる。
「まさ、か…違うよ!そんなこと…そうだとしたって……」
「…あの人が、受け入れるはずがない?」
ハナが言い淀んだ言葉を、家康が代わりに口にする。
それが肯定であるかのように、溢れた涙がハナの頬を伝った。
「あんたにしては、いい判断だと思うよ…」
家康の声が、冷ややかに響く。
肩を掴んでいたその腕が、静かに離れる。
ハナがはっとして顔を上げると、家康がハナの風呂敷から残りの書状を取り出すところだった。
「あんたには悪いけど……光秀さんの所へ、行かせるわけにはいかないから」
「家康……何を…っ!?」
家康の両手が書状を掴む。
――…破られる!
「――やめてっ!!」
悟った瞬間、体が動いた。
無我夢中で、家康の手から書状を奪いとる。
書状の無事を確かめ、無意識に安堵の吐息を漏らした。
――その、肩を。
家康の両腕が後ろから、抱きしめた。
「いえ、や――っ」
「あんた、馬鹿なの?なんでよりにもよって、光秀さんなの…」
「お願い……やめて…っ」
耳元で呟く、温度のない家康の声。
その声音に、ハナの肩が悲しく揺れた。
「秀吉さんでも選んでくれたら……この際、千歩譲って、三成のバカでもいい…」
家康が囁くたび、ハナの心が冷えていく。
「それでもダメなら――…俺じゃ、ダメ?」
「――…っ!」
首筋に、家康の唇が押し付けられる。
――…感じた瞬間、飛び出していた。