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第7章 ▼華ニハ蜜ヲ△ *明智光秀ルート*
書状の中をあらためて、絶句する。
「ハナ…信長様に何かもらった?」
「今朝ね、綺麗な砂糖菓子をいただいたんだよ!甘い花の香りの真っ赤な薔薇の!」
そう言って、ほにゃりと暢気な笑顔を見せるハナ。
対照的に、家康は眉間の皺を深くして頭を抱えた。
「家康?やっぱり具合が悪いんじゃ…」
「だからそうじゃないから…それから、アンタに言っておくことが…」
「匂いにあたったって言ってたよね?だったら、部屋の換気した方がいいよ!」
「ちょ――っなんなのアンタ!人の話を少しは聞けよっ!?」
しかし家康の制止も届かず、ハナが家康の部屋の障子を大きく開いた。
「――…え?」
「ハナっ!」
部屋に溢れる甘い香りに、ハナの目がくらりと眩んだ。
足元から崩れるような感覚がして、思わず障子にしがみつく。
そしてそのままずるずるとその場にしゃがみこんだ。
「人の言う事聞かないから……ハナ、平気?」
「――…つ、でさん?」
「……え?」
ハナは瞳を虚ろに見開き、ぼんやりとまた、その名を紡いだ。
「光秀、さん……」