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第2章 ▼華ニハ蜜ヲ△ *共通ルート*
しかし、光秀はハナの問いかけには答えず、ハナの抱える書状を見た。
「その書状を届けに行くのだろう?先ほど、書庫にいる三成を見かけたが、あいつから届けてやってはどうだ?昨夜からずっと籠りきりだ」
「昨夜から…って、それって寝てないってことですよね!?三成くんったら、もう…」
はぁ、とため息をついたハナは、手元の書状を見てあっと声を上げた。
「そうだ、光秀さんにも書状があるんです。今―――」
「いや……俺は今から御館様に急ぎ報告がある。その後、御殿へ戻っているから、最後に寄るといい」
「そうですか…わかりました」
素直にそう答えるハナを労うつもりで、光秀はその頬へ手を伸ばした。
しかし、思いなおしてその腕を下に降ろす。
「俺まで辿り着ければいいがな…」
「光秀さん?」
光秀はそれ以上何も答えず、ハナの脇を擦り抜け、信長の部屋へと消えていった。
「今の、どういう意味だったんだろ?」
ポカンと光秀の消えた襖を見つめ、ハナの不安はさらに大きくなっていった。