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君の涙【ヒロアカ】

第10章 100%で望む理由



 『デクとの戦いすごかったね。心操くん、ヒーローになったらきっと大活躍だよ!』

 じゃ!と手を振って走り去っていった。どんどん小さくなるその後ろ姿から何故か目を離すことが出来ない。
 、か。なんだか慌ただしいやつだった。ヒーロー科にもあんなやつがいるんだな。面倒くさいと思っていた表彰式も、が表彰されるなら出てもいいかな、なんて考えながら、一人長い廊下を歩いた。


 「それではこれより!表彰式に移ります!」

 3と書かれた表彰台の上に、常闇くんと2人で立つ。頬のガーゼと腕にぐるぐると巻かれた包帯を見て、常闇くんは心配をしてくれた。見た目は大袈裟だがリカバリーガールのおかげで怪我はたいしたことはない。
 真ん中の台にはガチガチに拘束された勝己が、それでもなお大暴れてしている。常闇くん曰く、決勝戦の後ミッドナイトに眠らされ、目が覚めてからずっと暴れているらしい。口も塞がれているのでわからないが、焦凍くんに対して何か言いたげだ。一体どんな戦いをしたんだ。

 ミッドナイトのセリフとかぶりながら登場したパパが、今回メダルをくれるらしい。ドキドキしながら立っていると、銅メダルを持ったパパが正面に立った。

 「少女おめでとう!素晴らしい戦いだった!」
 『ありがとう!……ご、ざいます!!』
 「うむ。だが接近戦や肉弾戦はまだまだ甘い。これからの成長を期待しているよ」
 『はいっ!』

 首にメダルをかけられ次にパパのムキムキな体に身を包まれる。背中をぽんぽんと押したあと、誰にも聞こえないような小さい声で、おめでとう、と呟いてくれた。首にかかる重みに嬉しくてつい頬が緩む。
 焦凍くんにもメダルを渡し、残るは勝己だ。これはあんまりだと、パパが口の拘束器具を外した。勝己は今までにないくらい目を吊り上げて怒っていて、なんか、顔がすごいことになっている。

 「オールマイトォこんな1番…なんの価値もねぇんだよ。世間が認めても俺が認めてなきゃゴミなんだよ!!」

 全く素直じゃないが勝己の言うことは納得出来る。パパも勝己の考えを受け止めつつ、傷としてメダルを勝己に渡した。それでも抵抗する勝己だったが、最終的に口にかけてメダルを受け取った。

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