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君の涙【ヒロアカ】

第11章 トライアル



 うーん、どうしたものか。他の人のヒーロー名を参考にしようと思ったけど、なかなか思い浮かばない。残酷な天使の…いやいや。翼の折れたエン…いや、折れてないしな。僕達は天使だっ…過去形だもんな。うん、そろそろおふざけはやめよう。

 どんなヒーローになりたいか…か。私がヒーローを目指した理由は、己の非力さがただただ悔しかったからだ。この個性を使って救える人たちがいるなら救いたい。その為に必要な力を身につけたいから雄英に入ったんだ。

 『私はこれです!』

 ドンッとボードを机に乗せる。みんなの前で発表だなんて恥ずかしいけど、ここは堂々とせねば。

 「ラファエル…ね。いいじゃない」
 『ありがとうございます!』

 香山先生に認められたことに安心し、はあ、と息を吐く。これからこの名に恥じぬよう、格好いいヒーローを目指そう。

 「爆殺卿!!」

 再考案したもののまたもや却下される勝己。とりあえず爆殺という言葉を入れたいらしい。ボンバーマンとかじゃダメなのかな。


 やっと昼休みがきた。お腹空きすぎてお腹鳴ったのみんなに聞こえてないだろうか。お腹がならないようにしていた謎の緊張から解放され、リュックからお弁当を取り出す。

 『あ、焦凍くん!』

 教科書とノートを片付けて教室を出ていこうとする焦凍くんを呼び止める。忘れていると思っていたかもしれないけど、今日は焦凍くんのお弁当を持ってきたのだ。

 『今日作ってきたよ!一緒に食べよう』
 「っ、そうか!ありがとう」

 どこで食べようかと話しながら適当に校内を歩く。外は雨だし食堂は混んでいるし。少し歩くと拓けたところにベンチが置いてあった。みんな食堂に行っているのか、ベンチには誰もいない。

 『ここで食べよう』
 「ああ、そうだな」

 2人でベンチに腰掛け、片方のお弁当を焦凍くんに渡す。包を開いて食べようとした時、たまたま通りかかった男の人がこちらに近づいてきた。

 「あっれー?A組の人じゃん!なになにリア充ですか?そうなんですか?恋愛している暇があるなんてA組は僕らと違って優秀だな!あははははっ!」

 この人騎馬戦で勝己と戦ってた人だ。なんだかすごく…変わった人だな。どう反応したらいいのか分からず、焦凍くんと黙ってその人を見ていると、後からサイドポニーテールの女の人が来た。


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