第3章 *「怖い先輩」の段*
「あーあ……百合が来るなり緊張オーラ半端ないわね(笑)」
「こんなの、とっくに慣れているわ。
忍に、馴れ合いなんてことは本来必要じゃないもの。
かえって好都合よ……おばちゃん、A定食お願いします。」
「あいよ。アカネちゃんは何にするかい?」
「私はB定食で!」
「あいよ、すぐ用意するからね(微笑)」
おばちゃんはせっせとA定食とB定食のメニューをお盆に乗せていき、
二人に渡した。
「あいよお待たせ。」
「「ありがとうございます(っ!)」」
お盆を受け取るなり、百合達は空いてる席を探した。
「どこ座るー?
まぁここは忍たま後輩の隣に座らないとしてー……」
(と言っても大半が忍たまなのよねーw)
「空いてるところなら、どこでも良いわ……あら?」
百合は辺りを見渡した時、ある人物へ目がいった。
「……ん?百合にアカネじゃねぇか。」
視界の先には深緑色の装束を着た少年達が数人、まず最初に声をかけてきたのは
短い黒髪を後ろに結った少年。
「留三郎、貴方達もこれから?」
「あぁ。よかったら座るか?ちょうど2人分空いてるぜー」
留三郎は親指を後ろに向け、「まぁ座れよ」とジェスチャーをした。
「じゃあお言葉に甘えて!
い組以外は六年揃ってるわね。」
早速席に着くアカネ、ちなみにアカネの隣は……
「うん、でももう時期来ると思うよ。
2人は今夜、城に侵入する課題が入ってるんだっけ?」
「まぁね!」
茶髪でウェーブがかかった髪を後ろに言った少年、伊作だった。
正面にはいかにもヤンチャな雰囲気が漂っている少年、小平太が座っていた。
「モソ……ここ、空いてる……」
その小平太の隣には「学園一無口な男」と言われている長次が座っており、
ちょうど空いている自分の左側を指差した。
「なら私はそこに……ぁ、」
百合は長次の隣に座ったが、同時にあることを思い出した百合
。
「長次、」
「なんだ?」
「一昨日借りた本、面白かったわ。」
百合は懐から、長次から借りたであろう書物を出した。
「そうか……昨日図書室に新たに本が追加された……暇な時、行くと良い……」
「えぇ、そうするわ。」
そして百合は本を長次に返した。
その様子を見ていた留三郎は……
「なんか……」