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水宝玉と雪華【ONE PIECE】【裏】

第7章 美しき花よ


「社長、怖い人ですけど、優しいです」
「どこがだ」
「……ぜんぶ」
水さしを置いた手がゆっくりと鉤の手を握る。
「もう少しだ」
「…え?」
理想郷を手に入れるためには、まだ時間がかかる。
このガキに手間隙かけて時間も何もかも費やし、完全に育てる。
まだまだ、忙しくなるんだ。
「利用してやってるだけだ、調子にのんな」
「ごめんなさい」
くすくすと何が嬉しいのかわからないが、笑っていた。
どういう感情なのか、上手く言えないが、それは、このガキを初めて見たときと同じだった。
支配欲によく似たざわめき。

「来い」
「はい」
黙って背を向ければ繋がれる手。
あまりにも弱々しいそれに、何故かじとっとしたような疼きがくる。
弱い者が強い者に媚び、尽くし、やがてはその糧にされる様は、美しい。

広い温室には、飾りにガゼボを一つ置いてある。
誰の趣味かはわからないが、気付いたら蔦巻きの植物が勝手に育っていた。
温室の湿気と暑さが、そこでは若干和らぐ。
面積に合うように作らせた円形のソファは、座り心地も、そして、寝心地も良い。
ゆったりとの四肢を押し倒し、身に纏った衣を少しずつ剥いだ。
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