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水宝玉と雪華【ONE PIECE】【裏】

第8章 過剰摂取


鉤爪に伝う琥珀色は、日の光を浴びてゆっくりと滴る。
つっ、と唇が切れ、その琥珀と共に紅いまだらが途中から混じった。
甘い匂いの誘惑か、痛みか、締まる感覚がいつもよりキツい。
「はぁ、あ…、しゃちょ……っ」
吐息がいつもより熱がある。
摂取しすぎたアルコールが粘膜を火照らせているのだろう。
金属に舌が滑る。
無機物と生独特の湿り気、その正反対がうつす世界がどことなく幻想的だ。
もうとっくに感覚はないはずの、その部分がぞわりと疼く。

こんなガキに何故か。
毎日疑問に思う。
この腐った関係を、何故か、常に望んでいる。
「しゃちょ、ぉ…っ」
酔いすぎたのか甘い掠れた声が下から聞こえてくる。
「ああ…」
朧気なのかいつもは辿々しいそのあまりにも細い指が、自分のそれに重ねられる。
いつもは怖がって、成されるままのガキが、何を一丁前に。
「すき、すきです…っ」
何を言い出すかと思えば、下らない。
そう笑ってやろうと思っていた。
「いっしょにいれて…しあわせです…」
「……」
心底そう思っているのだとしたら、なんつう阿呆なのか。
相当頭がイカれているとしか考えられない。
毎日奴隷のように扱われ、哀れに身体も穢され、そのうちそこらへんに捨てられるであろうに。
憐れむつもりが、そんな感情すらわかない。
むしろ、このまま、一生奴隷として置いてやろうか。
「いい度胸だ」

アルコールがこちらも回ってしまったようだ。
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