第7章 美しき花よ
首に付けた痕が痛々しく残っている。
沿うように舌を這わせれば、弱々しい鳴き声が高く上がる。
吐息が混じるような声に、何度翻弄されるのだろうか。
こんなことは今までなかったはずなのに。
英雄と謳われる日々の裏で、こんな、たった一人のクソガキに踊らされる。
「は、ん、ぁ…あっ…いぁ…!」
動きに合わせて漏れる甘ったるい声が、悪くないのにたまに癇に障る。
手首を引き、動かないようしっかり固定してやってから、最奥の入り口をこじ開ける。
「やぁあっ!!?」
あまりの快感に驚き仰け反る。
「ま、まって…、そこ、や、だめっ…」
逃げようとするが、片手ですら敵うわけもない。
がっしりと力を込め、楔をそこに目掛けて強く打ち込む。
「くっ……あぁぅ…っ」
いやいやと首を振りながらも、しっかりとナカは気持ち良さそうに締まり、脚はぴんと爪先まで力が入っている。
「はぁ、ん、ぁ、…っ」
息も出来ずにヒクヒクと余韻に浸る四肢に、再び同じように自身を挿入れ、再びソイツを攻め立てる。
「ぁああっ!!しゃちょぉ、あっ、はぁ、ん…!
だめ、おねが…っ、だめぇ……!!」
「どうダメなのか、わからねえが」
意地悪くそう言うと、は目を固く瞑り、流れていく快楽を受け入れる。
「はぅっ、あ……ん、ふぅ……」
何かを言い掛けた口に舌を捩じ込み、話す隙すら与えない。
こちらの唾液を無理矢理流しては飲ませ、体内に自ら与えたモノが染み込んでいく征服欲を満たしていく。
「んっ、んんぅ……」
それだけでイケるようになった悲しいガキの脳は、今何を想っているんだろうか。
「しゃちょう……」
物欲しそうな目で見上げてくるのは、何故なのか。
何が欲しいのかを聞けば、そうではないと、小さな口は答える。
「てを、はなしてっ、くぁさい…」
呂律の回らない中で言われた指示に、疑問を抱きながら従ってやる。
この状態では逃げられまいと確信をしていた。
だが、コイツは、逃げるどころか、首に手を回してくる。
何がそうさせるのか。
ただ、ふと、嬉しそうに笑っていた。
何故そう思ったか自分でもわからないが、つられて笑った。