• テキストサイズ

水宝玉と雪華【ONE PIECE】【裏】

第6章 におい


ゆったりした木造のソファーはお気に入りだ。
かなり値段の張るものだった。
艶やかな血のような紅い皮と、やわらかな心地よさ、脚に塗られたニスも独特の味がある。
真珠のような、この滑らかな肌によく似合う。
つくづく、いい買い物をした、そう思った。
「あっ、や……っ」
もどかしいくらいの柔らかい刺激しか与えていない。
両脚を擦り合わせ、そのまどろっこしいのを耐えているようだ。
「んっ、も、もぉ…」
「もう、なんだ?」
意地悪く聞き、顔を隠す仕草に、その繊細な指先に目がいく。
無理やり引き離すと、赤く色付いた顔が見上げてきた。
「……っ」
「言えねえのか」
「だって…」
「だってじゃねえ」

へし折れそうな細い首に、そっと鉤を走らせる。
最初の頃のような怯えはない。
少し角度を変え、薄いその皮を破き、鮮やかな紅玉が首もとを飾る。
真珠に映えるその首飾りを、胸元に模様を描くまでじっくりと見つめた。
「…最高だ」
痕がどれだけ綺麗に残るだろうか。
我ながら、最高の所有印を刻めたことに思わず笑みを溢す。
「痛ぇか?」
「すこし、だけ…」
滴る宝石を舌に乗せ、まっさらな肌に。
「ん、は、ぁ…っ、うぁぁ…」
その仕草に、上擦った声が、体内に入り込むコイツの血潮のように、書物に染み込んでいくようだ。
/ 39ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp