第5章 拘りの肌触り
「んんっ、ふっ…、ぁ…」
ガウンを握る指に時折弱々しい力が入る。
弱い者が強い者にすがり、淫靡な姿を晒す。
それは、形容しがたい美しさだと思った。
迫害された魔女が、孤独を埋めるようにこの俺にすがるか…。
童話の世界とこんな話を混同させるなど、甚だ可笑しい。
それが、話の筋だとするなら、それは喜劇以外のなにものでもない。
「ふっ!んっ…!」
甲高いくぐもった声が僅かに空気を震わせる。
弱々しい手がよりいっそう弱々しくなり、情欲に堕ちた顔をしていた。
教育は、上手くいっているようだ。