第5章 拘りの肌触り
暑さで目が覚める。
空調が壊れたようだ。
隣ではがすーすーと寝ている。
館内の使用人に通信をし、朝一発目の苛立ちをぶつける。
「ブッコロされてえのか?」
「ひっ!!!」
「部屋がクソ暑い。
客間とホールは大丈夫だろうな?」
これで仕事場も、となれば、大目玉だけでは済まされない。
大慌てで来た整備士どもが点検と整備を行う。
水の流れる音がし始め、また涼しさが戻ってきた。
「ん、しゃちょう、もうおきますか?」
「いや」
目を擦り、眠たそうにが起きた。
それをやんわりとベッドに戻し、昨晩の続きかのように口に噛みつく。
「んっ!」
「ほら、もっと合わせろ」
「んぅ、は、はぃ…っ」
ぴちゃぴちゃと、小動物が水を飲むなのような音が室内に充満する。
必死に答えようとする姿も、快感で流れる涙も、自分だけが知っているという支配欲が清々しい。
一度、酸素を取り込ませるために離し、そしてまた塞ぐ。