【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第13章 ミステリートレイン
東京駅。
少しだけよそ行きの格好をして。
蘭さんたちと待ち合わせの場所に着いた。
乗車ホームでは、蒸気機関車が汽笛を鳴らす。
…中身は最新鋭のディーゼル機関車、だということは後から知った。
「蘭さん園子さん、こんにちは!」
「○○さん!」
「○○さんー!」
子供達を連れている女性二人組は、遠目から見てもすぐに見つかった。
「あれ、そちらは…?」
「世良さんです」
女子高生探偵をされてる、と確か聞いたことがある名前。
「はじめまして、○○さん。蘭ちゃんから話はよく聞いてるよ」
「…はじめまして、えっと」
「世良真純、世良で良いよ」
「世良さん」
…名前かと思ってた、なんて心の中で呟いて。
三人の子供達から少し外れて背を向ける女の子。
…あの子が、灰原哀ちゃん。
「○○さん、お父さん探して来ますね」
「それなら私が行きますよ」
「大丈夫です、だいたい予想ついてるので」
蘭さんがいなくなった後すぐまた後で、と世良さんも立ち去って。
二人を見送り園子さんがじーっ、と私へ視線を向けて。
「○○さん、絶対年より若く見えますね」
「そんなことないですよ、園子さんは肌も綺麗で羨ましいです」
そんなことより、と耳元で「彼氏と発展するにはどうしたら良いですか」って聞かれて。
肩を揺らして笑ってしまった。
あぁ、女子高生だなぁって。
私にもそんな頃があった、と思いながら女子高生ではなかったな、と思ってしまう。
「…子供達の前じゃ話せませんね」
また後で、と言えば嬉しそうにガッツポーズする園子さん。
ああ、恋してるんだなぁと。
「ただいまっ、お父さん連れて来たよ」
「お疲れ様です、そして先輩おはようございます」
「おう」
「先輩、推理クイズでの解説役をされるって本当です?」
「あぁ、名探偵毛利ポア郎だからな!」
なんですかポア郎って、と心の中で呆れ顔。
「ではご一緒に」
「しなくていいぞ、仕事じゃねーんだから」
「…でも」
「たまには息抜きもいいだろ?」
ぽん、と頭を撫でられて小さく頷いた。
「○○さんも早く早く!」
記念写真、と言って園子さんに腕を引かれ、一緒に撮られた。
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