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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第11章 その真意※裏


次の日からしばらく、ポアロで彼の姿を見なかった。
ポアロで働いている女性…梓さんが言うには、風邪を引いてしまい連日休んでいるのだと。
彼女なのに知らないんだよ、なんて胸の中で小さく笑う。

パソコンはだめ、タブレット上に一時的に作成してもハッキングの恐れがある。
まとめたデータは保存せずに一時的に印刷、シュレッダーも信用ができないと思い暗号化した後に燃やして水で濡らし、跡形もないことを確認し処分した。

そんなこと、どうして私なんかができるんだろうって自分でも驚くけれど。
これでもあのメンバーと同じように過ごしていたんだ。
あの時、零の隣にいたかった私は、零から教わった。だから零もこれがデータだと分かれば解読できるのもわかっているけれど、それでもやらずにはいられなかった。
自分でも驚くほどの執着心。
少しだけ考えた。
もし、あの卒業式のとき…別れたくないと言っていれば、今頃はどうなっていたのか。

調べていけばいくほど、零が何をしているのか見えなくなっていく。
…そして一つだけたどり着いた可能性は警察庁警備局警備企画課…通称、【ゼロ課】だった。
そう、存在しない組織であれという意味から呼ばれている。
警察時代にその噂は聞いていた。
公安に属するその組織は国のために。

もし、彼がそのゼロ課に所属するとしたら…“安室透”の顔に、辻褄があうのだ。
彼はなにを探っているのだろうか。

盗聴器のほうも録音式ではなく受信型というところまで特定した。
距離はわからないが、それもそんなに遠くはないだろう。
だから24時間常に聞こえるわけではない、そう思っていたけれどあくまで“単独”ならの話だった。
私に対してのことが、単独じゃないとしたら?…そう考えては、零がこの家にきて二人の時間をもし本当に大切に思っていてくれるならそれはないのかもしれない。
様々なことを思い浮かべては、私にはわからないことばかりで。

そう、
ついでのように探っていた“江戸川コナン”と“工藤新一”を調べるまでは。


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