【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第10章 確かめられない想い
「○○姉ちゃんが本当のこと言ってくれないと、僕も信じることができない」
彼は何にそんなに追い詰められてる?
何に追われてる?
「ごめん、コナンくん…話せない」
嘘をつくことも、本当のことを話すこともできない。
子供相手に何をしてるのだと笑われてしまうかもだけど。
私はこの子に嘘をつきたくなかった。
「○○姉ちゃん…」
ごめん、とただ下を向いて謝ることしかできない。
この子は勘がいい、余計なことを話せない。
この状況を彼は予測できなかったのだろうか。
彼より私のほうが、接する機会が多いことはわかっていたのに。
それとも何も言わないか試されていた?
「コナンくん、私と透さんは付き合ってる…それは、嘘じゃないよ」
「え、そうなんですか!」
後ろから突然聞こえる声に、肩をびくっとさせた。
「ら、蘭姉ちゃん…」
「蘭さん…え、聞いてましたか」
「はいっ!え、どうしてですか、いつから!?」
がっつり手を握りしめられて。
「あ、えっと…こないだの事件の、少し前…かな」
「ええっ、全然見えなかった!婚約者さんって安室さんだったんですか!?」
その問いに、急に顔が熱くなるのがわかって。
「そ、それは違います!!」
○○姉ちゃん耳まで真っ赤、と呆れるようにコナンくんに指摘されて。
「先日の事件の翌日、○○さん、安室さんのこと気にされていたので何かあるのかなって気にはなってたんです。普段なんて呼んでるんですか?」
「……とおる、さん」
きゃーーっ、と興奮する蘭さんに顔の熱が冷める様子はない。
逃げ出したい、今は切実にそう思う。
「○○さん今夜一緒にご飯どうですか?もっとお話聞きたい!」
「私は話したくない~っ」
「安室さんとデートですか?」
「そんな予定はありませんっ」
女の子の恋バナ好きは、下手な事情聴取より怖いって思った。
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