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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第87章 裏切りの感情


「そ、そうだとしても…それも誰かが彼女に罪を着せるためにワザと…」
「サークルレンズ。マネージャーさんなら気づいてるよね? 波土さんが瞳を大きくする為にサークルレンズにしてたの…」
「え、ええ…」

 やっと口を開いた円城さんは小さく肯定した。

「波土さんの免許証の写真と……今日、雑誌記者のオジさんが撮った写真を比べたらボクにもわかったよ! そして、その片方のレンズが…マネージャーさんの背中に付いてるって事もね?」

 え? と振り返るように背中を見て、目暮警部たちも円城さんの背中にあるサークルレンズを発見した。

「彼を吊り上げた時に…運悪くあなたの服に落ちたんでしょうな…。さぁ、証拠は十分だ! 後は署の方で…」
「おい、待ってくれ! どうしてあなたが波土を!? 17年間支え続けた彼をなんで殺さなきゃならなかったんだ!?」

 それは

「それはいくら聞いても答えられませんよ…」

 透さんへと視線が集まって、

「なぜなら彼女は彼を…殺していないんですから」

ええっ!? とその場がざわつく。
そう。
 彼女は殺してはいない。
 もう片方のサークルレンズはステージのソデに放置されていたパイプ椅子の座面の裏にあった。
そして、円城さんには不可能であろうボールを投げて、天井のバーまで達することは。
 極めつけは

「その波土さんの胸のポケットに入っていた波土さんの直筆の『ゴメンな』の文字…もうおわかりですよね?」
「ま、まさか彼は自分で…」
「そう…彼は自分で首を吊り…それを見つけた彼女が彼を高く吊り上げ殺人を偽装したというわけです。なぜそうしたかはわかりかねますが、不可能犯罪にしたのは誰にも罪を着せたくなかったから…ですよね?」

 自殺だった。
 その理由を知っている人は今は──


「まさか彼はこの前話したあの事を病んで」

 心当たりがあるのか、布施さんがはっとした表情で。

「あの事?」

 続けるように目暮警部が畳みかける。

「実は17年前彼女は波土の子をおなかに宿していて…」
「ふ、布施さん!?」



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