【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第87章 裏切りの感情
「いや…そんな物はステージの周りには落ちてなかったよ…」
「じゃあなくなった物は? たとえば針金とか…軍手とか…」
「あ、ああ…スタッフがステージのソデにおいてた工具箱の中から…その2つがなくなってるらしいよ…」
「じゃあさ…工具箱の横に立ててあったパイプ椅子もスタッフさんがそこに置いたの?」
「いや、休憩用のパイプ椅子だからもっと奥においてあったらしいんだけど…」
片方だけなくしたもの。
それから、工具箱の横に立ててあったパイプ椅子。
「おい! この機材このまま持ち帰るみたいだぞ? 何かライブは中止になったって…」
「なんだよ…せっかくほどいたのに…結び直しかよ?」
外で話している業者の声が聞こえて、目を向ける。
透さんもそれを見て、それから
「あのー…そのパイプ椅子も調べたんですよね?」
鑑識の人へと話しかけた。
「いや、指紋とかはまだ…。でも、妙な場所に置いてあったので一応持ち帰って調べようと…別の監視機関がマイクスタンドと一緒に」
「すみません…ちょっと座面の裏を」
「え?」
タイミングよく通った鑑識の人がマイクスタンドとパイプ椅子を運んでいたところを沖矢さんが声をかける。
そして、座面の裏を見て。
──サークルレンズがそこにはついていた。
梓さんが片方だけなくした、というコナンくんの質問はここに繋がっている。
じゃあ、もう一つはどこにある?
ご遺体?
否、鑑識が気づいていないという事は、両方ないと考えた方が良いだろう。
「あの…もういいですか?」
「あ、はい…」
「すみませーん、通ります、どいてくださーい」
現場を近くで見たわけではないが、──もし、もしも、そうだとしたら、吊り上げられたのではなく、自ら──
「透さん、あの、確認したいことが」
「○○もお気づきですか?」
では答え合わせをしましょう、とベルモットを含めてそのトリックを確認する。
そして、それなら彼女の背中に、とベルモットさんが告げたそれが、トリックを確信へと変えるものになった。
「では○○、鑑識の方に新しいロープを用意してもらうよう依頼してください。僕も中で用意しますので」
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