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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第87章 裏切りの感情


「おい! 帰らせろよ!! 編集部に早く戻ってこの事件の記事を書かなきゃならねぇんだからよ!!」

 梶谷が声を荒げて言えば、高木刑事が梶谷のカバンの紐をつかんだ。

「その前にカバンの中身を」
「離せ! 商売道具に触るんじゃねぇ!! 離せって言ってんだろ!?」

 梶谷が引っ張り返せば、高木刑事の手から離れ、鑑識の人に勢いよくぶつかってしまい鑑識が持っていたケースの中身が床に広がった。

「痛たた…」
「お、俺のせいじゃねぇぞ…! この刑事がよォ」

 証拠品だろう。
 床に散らばってしまったそれを、近くにいた蘭さんと園子さん、コナンくんが拾うのを手伝う。
 その一方で、目暮警部は梶谷のカバンの中を目ざとく確認し、写真の確認の了承を取っていた。

「なるほど…。ホールに入る波土さんを隠し撮りしていたが…波土さんに見つかり…カメラを取り上げられそうになった。そういうことですな?」

 カメラのモニターに映る写真を何枚か切り替える目暮警部の手元を覗き込みながら、その写真を確認する。

「あ、ああ…。まあ」
「この時…彼はなんと?」
「べ、別に…「勝手に撮るな」と言われただけで…」

 カメラに気づき、手を向けて撮影を中断させようとする。
 その剣幕は、画像越しにも十分に伝わった。

「警部!! そのイザコザを見ていた人が、波土さんがすごい剣幕で「今度俺に近づいたらブッ殺してやる」って怒鳴っていたそうです!」
「…なのにアンタはスタッフジャンパーを手に入れてここに入ったというわけか…」
「し、仕事だからしゃーねーだろ!? い、いつも波土に張り付いていたから煙たがれてただけだしよ…」

 ぶつぶつ、と声が小さくなる梶谷に目暮警部はあきれた視線を向けた。
 高木刑事が「それと」、と口元を隠しながら周囲に聞こえないように何か話していた。

「ねえねえ鑑識さん!」

 コナンくんが鑑識の人の服を引っ張りながら声をかける。

「ん?」
「……とか、落ちてなかった? 梓姉ちゃん片方だけ落としちゃったみたいなんだけど…」

 何が落ちてなかった、と聞いた?
 梓さんの姿をしたベルモットさんを見て、コナンくんへと視線を向けた──


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