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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第87章 裏切りの感情


「ああ…、間違いねぇよ…。俺がスタッフからジャンパーを買ってこのホールに入ったのは…午後5時半前…5時20分ごろだよ! ウソだと持ったらジャンパーを売ったスタッフに聞いてみろよ!!」

 その勢いからして嘘だとは思えない。
 ……だとしたら

「…だとしたら妙ですね…。円城さんの姿が確認されていないのは4時半から4時50分で布施さんは5時から5時15分頃ですから…」
「3人のうちの誰かと誰かが共謀して被害者の首を吊らすのは無理か…」

 そう。
 無理なのだ。
 無理という言葉で終わらせて良いわけではないが、それだけの情報では無理だと思える。

「ねぇ! 3人の中で野球やってた人っている?」
「ちょっとコナン君!?」
「こんな時に何聞いてんのよ!?」

 コナンくんが突拍子もない質問を突然3人にしていた。

「私は大学までラグビーをやっていたが…」
「わ、私は中学の頃テニスを少し…」
「俺は、登山部の幽霊部員だったけど…野球なら…波土が高校までやってたよ…。強肩の外野手でもう少しで甲子園ってトコまで行ったらしいぜ?」
「でもなんでそんなことをこの少年は…」
「あ、いえ、現場から野球のボールが見つかったので…」

 コナンくんがする質問は、何か意味がある。
 透さんを見れば、関心を向けていてなんだかわかりやすくて頬が緩む。
 
「そのボールなら多分…高校を卒業する時に野球部のみんなからもらったボールだと思います…。『ミュージシャン頑張れ』ってメッセージが入ってて波土はいつも持っていましたから…」
「さすが元カノ。詳しいねぇ…その頃から波土がデビューして売れるまで付き合っていたんだよな? んで、この美人マネージャーに横恋慕して見事フラれたのが…その社長さんってわけだ…」
「何年も前の話を…」
「いいじゃねぇか」

 学生時代から付き合っていて、別れるって……
 ──何か、あったのだろう。
 それは、何かってあってほしいという願望も含んでしまう。
 零のいる世界がすべてである私にとって、それがそうであってほしいと思わずにはいられないんだ。


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