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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第10章 確かめられない想い


確かめるのが怖かった私は、盗聴器はそのままにして生活を続けてた。
助かったのは、隠しカメラは仕掛けられてなさそうだったこと。パソコンは処分した。
私は単純だから、零が何でもないと笑って抱き締めてくれたら、知らないふりができるのになんて毎日そんなくだらない考えを浮かべては…消した。


その日、警視庁に呼ばれた。
先日の事件のことで話を聞きたいと。現場の最終立会いが私だからという理由で仕方なく警視庁に向かった。

「透さん」

警視庁に入って受付に、零…透さんがいた。
私を見て、驚いた表情で。

「どうしたんですか」
「こないだの事件のことで、…透さんも?」
「ええ、車ぶつけて止めたのがやりすぎだったんじゃないかって」
「その件についてはしっかり怒られて来て下さい」

ムス、と擬音が出るかのように私が警察の言う通りだと不貞腐れれば、透さんが小さく笑って。

「終わったら、少し時間あるんです。ランチでもどうですか」

…驚いて、顔を上げた。

「○○の表情、コロコロ変わるところ好きですよ」
「…恋人としてなら、行く」
「もちろんです」

お待たせしました、と事情聴取を担当される警察の方が来て…また後でと別れた。



事情聴取はすぐ終わった、確認事項と書類の記載くらいだったから。
ロビーで透さんが終わるのを待つ。…あんな状態なのに、よく会えるなって自分でも思う。
ただ、これ以上零に私が疑われるわけにはいかなかった。
零のそばにいる権利を、失うことになる。
きっと私は私が疑われることよりも…それが一番怖いんだろう。

「お待たせしました」
「そんなに待ってないから大丈夫」

一時間後、透さんが事情聴取を終えてきた。
自然と手を取られ、その手を握り返した。

警視庁前の歩道に集まる子供の姿。

「それより博士と灰原は?」
「やっぱ博士風邪みてーでよ」

コナンくんだ、と心の中で呟いて透さんの手を離そうとするが、強く握り返されて離してもらえなかった。

「じゃあ灰原さん抜きですか…残念」
「僕も残念だよ」

透さんが、子供たちに声をかけた。
コナンくんが振り返り透さんと、私に驚いていて。

「せっかく噂の阿笠博士に会えると思ったのにね」
「安室さん……○○姉ちゃんも、どうしてここに?」

その手は何?と目で問いかけられて。


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