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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第81章 僕に


「おはようございます!」

探偵事務所に入って、挨拶をすればのんびり一服をしていた先輩が驚いた顔を向けた。

「今日、来る日だったか?」
「給与はいらないです、たくさん休ませてもらったのでそのお詫びです」

半分くらいは本音で。
半分くらいは嘘。
零がポアロにいるから、私はその近くにいなければならない。

「透さんも、ちょっと過保護気味なとこもあるので」
「男と一緒にいたいということか」
「先輩といる時間も大事にしたいんですよ、私は」

定位置に座り、パソコンをつけた。
珍しく、まだ終わってないことはたくさんある。
公安の方はどうなのかと気になるけれど、今は組織に目をつけられてる手前何もできない。
でも私に最初に居場所をくれた先輩が、私の大事な人でもあるから。

「スッキリした顔してるな」
「そうですか?」

バレバレか、と思いながらも本当は私がやってることも、透さんのことだって見透かしてるんじゃないかとすら思う。

「昼飯、蘭が多めに煮物作ってるけど食べるか?」
「来て早々お昼の話ですか?」

喜んで、と会話を交わす。
話しながら仕事を進めていたら、お昼頃に透さんがサンドイッチを持って来たから思わず笑ってしまった。

「安室くん、○○と食べたいなら勝手にしてくれ」
「いや、これは先生への日頃の御礼をと」
「○○、肉じゃがとサンドイッチどっちが良い?」
「今日は肉じゃががいいです」

そうですか、としょんぼりと落ち込む姿は零を知らなかったら素直に可愛いと思うけど…これは明らかに演技。

「安室くんも食べるか?」
「いいんですか?」
「サンドイッチは帰ってきたら食べるだろ」
「透さんのサンドイッチ好きですよ、私」

飯にするか、と先輩に続いて事務所を出て階段を上る。
先輩の家は、いつも蘭さんが片付けてるから今日も綺麗だなと思う。

「キッチン、お借りしますね」

勝手知ったる何とやら。
コンロの上にある肉じゃがに火を通して、他にも何かとお味噌汁を作って卵焼きを焼く。
蘭さんへ【お味噌汁口に合わなかったらごめんなさい】と、メモを残して。

「○○の味噌汁久しぶりだな」
「蘭さんの味噌汁には敵いませんよ」

透さんの味噌汁にも、と言えばそんなことありませんよと返されたけど。
零が少しだけ寂しそうな顔をしていた気がした。


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