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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第79章 俺のために


どうしたら良い。
どうしたら。
どうしたら……
このまま、ここにいることが許される?

それ以上答えない私に、零はただ抱きしめた。
離さない、それは本当に嬉しかった。
だけど。

「ごめん、…零」

私が手放せないのは、どうやら零だけじゃなくなっていた。

「………ひとまず、帰るよ」

泊まるとばかり思ってた。
シャワー借りる、と零が一人立ち上がって浴室に向かった。
…零が、好き。
バーボンとしての彼の立ち位置を…悪くしない方法。
零の子供がいたら、私は…迷わなかっただろう。
でも、私はまだ……
タオルを体に巻き体を起こして、避妊薬を飲む。
…赤井さんに連絡しよう。
そして、…組織の知り合いは別にもいる。

…そこまで考えて止まった。………頼ると、約束した。
零を一番に頼ると。

だから、浴室に向かった。
シャワーの音がする浴室に。
扉を開けて、どうしました?と伺う零に、抱きついた。

「…○○?」
「零…私、零と離れたくない…先輩たちからも離れたくない…っ…私は、私を捨てたくない…零だけのものになるのは、凄く魅力的ではあるんだけど………でも、それ以外の方法を…もう一度、考えてもらえませんか…」

貴方を頼ると約束した。
…だから、伝えないといけなかった。
シャワーに濡れる肌。
タオルが水分を含み重さで床に落ちる。

「…正直、…また勝手な動きをする前に…どう手を打とうかと考えていたところでしたよ」

シャワーを止めて、抱きつく私の背に手を回した。

「…壊れたお前を見て…怖かった。その目に俺が映らない、その怖さ…お前に分かるか?」

怖い。
零から、そんな言葉が私に向けられるとは、思わなかった。

「……お前は、俺を強くする。でも同時に……情けないほど弱くする事だってできる」
「ごめん…」
「お前が組織入れるのだけは絶対…考えないで欲しい」

……零は、私が組織に関わる事を嫌がる。
バーボンとして、私に接する事を嫌がる。

「まだ纏まってない…だけど、明日の夜また来るから。それまではどこにも行かずにここで待っていてくれないか」
「……買い出しには、行きたい」
「冷蔵庫何もないもんな」

わかった、と零が額にキスをする。
もう一度抱き合うのかと思ったけど…零はついでだと私の体も流して、浴室から出て…
家を出て行った。


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