• テキストサイズ

【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第76章 ちょうだい


「…なに」
「なにじゃない、隠してる」
「別に。○○が早く退院して復帰してくれればいい」
「なにを隠してるのか教えて」
「いいだろ、○○が退院したら教えるよ」
「今日は何日」
「知らない」
「携帯貸して」
「忘れた」
「タブレット」
「忘れた」

そんなわけあるか!と最後は声をあげて枕を投げつけた。
それを難なく受け止めて。

「俺と二人きりになるのがそんなに不満?」

そういうことじゃないしその方向で誤魔化すのは狡い。

「零、キスもしないしなんか変」
「病院でキスしたいと思うほどお前は不足してない。どこででも発情する猿じゃないんだから」
「でもゴリラじゃん」
「は?」

思わず漏れた昔の悪口にキレ気味で零が睨んでくる。
でも、…その後、切なそうに笑うから。

「そろそろ帰るよ」
「……零、やだ…」
「でも」
「…やだ、今の零……また、離れてく気がする」

図星を突かれたような表情をして。

「……退院したら、ちゃんと説明するから」
「退院したらいなくなっているってことも、ないよね」
「どれだけ信用ないんだよ」
「だって」
「家まで知ってるんだから、今更どこにも逃げられないだろ?」
「…ほんと?」
「まだ安室としてやることがあるからな」
「うん」

明日また来る、と零が言って。
…部屋の扉が閉まって。
キスしたい、いつもの軽い欲求だったものは…あっという間に体全身を熱くする。
こんな感覚初めてで。

「れい…っ………透さん…!!」
「…どうした!」

呼びたい名前を呼んでいい名前は違う。

「体…っ…凄く、熱くて…苦しいっ」
「…ッ…抜けてないって言ってたもんな…」
「れいっ…」
「大丈夫…怖くないから…」
「れい…イきたい…っ…触って…?」
「だめ…」
「キスして…っ」
「ごめん」

これで許して、と額にキスをされて…足りない感覚に自分で慰めようとしたら、零が手首を押さえつけて。

「今は頼むから…そういうこと、シないで」

首を横に泣きながら振る。
快感が強いのに、決定的な快感がなくてもどかしくて。

「依存する可能性があるんだ…全部、ちゃんと抜けたことを確認するまで待って」
「や、だぁ…!」

イきたい。
イきたい。
頭がおかしくなりそう。
ジタバタ暴れる私に零が辛そうに見つめて…ナースコールを押した。



/ 687ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp