【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第75章 水槽
自白剤ってどういうものなんだろう。
…零相手なら確かに興味があったかもしれない。
まぁ、零相手にも話せないことを抱えすぎていたのだけど。
パイプ椅子に座り、両手の親指を結束バンドでとめられた上で、手錠で手首をとめられる。
「君の名前は?」
「○苗字○○○」
薬を打つ前に、私の通常の反応を確かめようとする目の前の人。
「少しずつ増やしていくよ」
警戒心を解きそうなほど優しい手つきに優しい声音。
打たれる注射は、最初はとても少ない量だった。
「どう?」
「別に、なにも」
「ここから先は嘘で答えて」
「はあ」
「君の名前は?」
「…ベルモット?」
「そう、それでいい」
嘘の名前なんて咄嗟に思いつくはずがない。
先ほどまでいた女性の名前を適当にあげた。
「15分。時間を見よう。少しでもなにかあったら教えて」
席でも外すのかと…期待したけど、呑気に珈琲を飲みながら私を眺める。
じわじわと、何かがこみ上げる感じがして…気持ち悪い。
「どう?」
「…その聞き方、やめてほしいっていうくらいには平常ですが…胸やけする感じと言いますか…変な感じがします」
「そう。君が素直なのか、それとも薬の効果なのか分からないね」
「これも嘘ついていいんですね」
思いつきもしなかった。
…ダメだ、なんか…頭が回らないのはなんでだろう。
「量を増やしていくよ」
ただの自白剤、じゃないことを忘れていることに気づいたのは…その行為が一時間ほど経ってか3ml、5、10、と少しずつ増やしていく注射器に含まれる液体。
「君の名前は?」
「○苗字○…○○」
「息が荒れてきたね?名前を嘘、つけるかな?」
俯いて首を横に振る。
「熱い…っ」
「どこが?」
体全体、ではないのだ。
陰部が熱くて膣内に何かが欲しくて堪らない。
「ここまでが限界かな?」
なんなんだこの…話し方と甘い言い方。
この人の素か、尋問向けかサイコパス。なんでもいい…
「バーボンは、君の彼氏?」
「っ…ち、がう…」
「バーボンは、警察の犬」
「知らない…!」
「君は昔警察だった」
首を縦に頷いて。
「今も繋がりがある」
横に振る。
言葉にしたくない。
だって…私は今質問するよりも求める言葉が先に出ると思う。
なんでもいいからナカに挿入れてっていう。
最低なことを。
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