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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第72章 純黒の悪夢(後)


「…赤井さんも、聞きたいことありますよね」
「君が彼との過去を隠してることくらいは分かっていたが…そこまで執着する理由も、少しばかり納得いったよ」
「あはは…すみません」
「流石に起爆装置の解除を申し出るとは思わなかったが」
「零が全てやりましたけどね」

私は、結果的にこうして

「君がいてくれて助かった。ボウヤも、彼も…そう思ってるはずだ」

私の卑屈な気持ちを、遮るように。

「…赤井さんは?」

赤井さんの役に、立てましたか?
彼の次の言葉を待つと…頭をポン、と叩かれた。
サウスホイールのゴンドラに乗っていた客が観覧車から下りてくる。

「…迎えが来たぞ」

そう言われて、その続々と続く人の波の中から…零を見つけて。
零と赤井さんの目があった。
その目が、私の方へと向けられて…ごめんね、と両手を合わせれば駆け寄ってくる零の姿。
赤井さんは零が近づくと…木立の中に去っていった。

「○○…っ」

無事で良かった、と強く抱きしめられて…体が痛い。
思わず咳き込んでしまえば、零が体を離して謝ってくる。

「…大丈夫か?救護室に今」
「大丈夫、…私は最後で」

せめて一般の人たちの治療が終わってから、見てもらえれば…

「…零、お疲れ様」

おかえりなさい、と少しだけ皮肉を込めて笑えば…
頭を撫でられて。

「…零…」

瞼が重たい。

「おいっ、…○○」

体が揺らされるがわかりながら…私は大丈夫だと、繰り返し…


意識を手放していた。




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