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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第72章 純黒の悪夢(後)


前を歩く赤井さんが背負うライフルバッグ。
サウスホイールとノースホイール。
二つの観覧車が並ぶ、この大掛かりな仕掛け。
中は想像よりも…大きかった。

「先を急ぐぞ」
「はい」

足元気をつけろ、と手を差し出されてその手を掴む。
何かが引っかかる。
赤井さんに引かれながら、最上階の通路に辿り着いて足を止めた。

「赤井さん、…気になることがあって」
「何があった?」
「……いえ、気にする事でもないかと思うけど…引っかかるんです、私が」

そう。
観覧車の爆発事件。
何故か、それを考えてしまって。

「根拠はありません、でも一度戻ります」
「何かあればすぐに連絡しろ」
「はい、ありがとうございます!」

松田さん。
萩原さん。
思い出すのは、…大好きな二人。
爆発処理のエースの二人。
それは、二人が教えてくれるようで。
視線を向けた先には車軸に張り巡らされた複数のコード。そのコードは、一つにまとめられて支柱の陰へと延びていた。
まさか。
でも。
そんな気持ちに背中を押されて…足が速まる。
急がないと。
何かが起こってからじゃ遅い。
そう思って、通路の階段を駆け下りた。
…こんなに本気で走ることなんて、滅多にないと思いながら普段のトレーニングに少し感謝をしたくなる。
車軸の真下にある通路まで下りて、車軸を見上げた。張り巡らされたコードは一つに束ねられて通路の柵に下りてある。
柵に巻きついたコードは、そばにあった消火栓ボックスまで伸びていて……
消火栓ボックスの先を見ると、物陰に隠れていた姿を現わす…小さな姿。

「なんだ、○○さんか…組織かと思って焦ったよ」
「……コナンくん、なんでここに」

お互いに向けられた言葉。

「私は赤井さんと、さっきまで一緒にいて」
「やっぱり赤井さんいるんだ…」
「コナンくんは?」
「奴らがキュラソーの奪還が失敗した時になにか観覧車に仕掛けをするんじゃないかと思って」

流石だな、と思ってしまって。

「…それよりこれ」
「え、あぁ、…多分起爆装置とか、じゃないかな」

確かめたいけど下手に開けるわけにも、と消火栓ボックスの周り確認したコナンくん…

「○○さん、これ」
「後付けでテープが貼られてる…」

テープを剥がして、コナンくんが眼鏡を少しいじって…穴を覗く。

「○○さんの言う通りみたいだ」


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