【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第66章 緋色のエピローグ
零がいなくなってから、携帯が鳴った。
【コナンくん】の表示。
…少し渋る気持ちがあったけれど、その電話に出た。
『○○さん、今平気?』
「うん、透さんもさっきでたとこだし大丈夫だよ」
『それなら丁度よかった。工藤新一の家にこれから来れる?』
「………それは…」
ちょっと避けたい。
お礼はもちろん言いたいし、何も言わずにあの日から連絡取ってないけど。……まぁ、零とばかりいたのでそんなこと考える余裕なかったけど。
「ごめん、…透さんへこれ以上隠し事できない」
『……これからの話をしたいんだ。本当は安室さんも協力してくれると助かるけど…○○さんしか、頼れないんだ』
「その言い方は狡いよ…」
私しか。
それもそうだ。
公安である人間の…ましてや、ゼロと。
「………これが最後だからね」
『ありがとう、○○さん』
断りきれない私がいて、電話を切った。
深い深い溜息をついたあと…
カジュアルで露出のない服装と無駄に意識をして服を選んだ。
万が一零に行き帰りで見られたときのことが心配で。
零はポアロって言ってたし、…シフト的に、コナンくんのところに行って長くなってももしかしたら一緒に帰れないだろうか。
大好きな人のことだけを考えたい。
零のことだけを。
工藤新一くんの家…こと、赤井秀一…沖矢さんが住む家に向かった。
チャイムを鳴らすと、沖矢さんが迎えてくれて。
いらっしゃい、と聞き慣れた声。
沖矢さんの顔を見れずにいれば壁に押し付けられてキスをされた。
抵抗なんて、できなかった。
沖矢さんが私の手首を掴んで玄関で口づけは続く。
唾液と舌が絡み合って…
腰が抜けそうになる瞬間、支えられるように抱かれて唇が離れた。
「…なんで…っ」
「されたそうでしたので」
息が荒れる。
…少しだけ見知ったリビングから聞こえるたくさんの声。
「それとも、このまま抱かれますか?」
「…っ…それは…無理です」
「濡れてるくせに」
またキスをされて…
沖矢さんの首に腕を回していた。
沖矢さんの手が、ジッパーを下ろして下着の上から蜜口を撫でる。
喘ぎ声はキスで抑えられた。
…これだから…
来たくなかったんだ。
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