【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第65章 甘く安らぐ時間※裏
…結局ご飯食べてない、と思ったのは性欲が落ち着いた頃。
零が何か食べるか?と訊ねてきて、私はそれに頷いた。
普段なら絶対何も食べない時間。
零がキッチンに立って作ったのは、カロリー低めの消化に優しそうな料理。
「…今日だけな」
零の悪戯に笑うその言葉が嬉しくて、食べる料理も美味しくて。
満たされた食欲に欠伸をすれば、笑われた。
食事を終える頃には子供のようにウトウトする私に零は責めることなんてなくて洗い物をする音に目を瞑ってしまう。
「…そんなところで寝たら風邪引くぞ」
零の声がして、体が浮く感覚。
…零に満たされる。
やっと、足りなかったものが埋まってく。
零の温もりに甘えて、深い深い眠りに身を任せた。
目覚めたら、おはよう、と零の優しい声と顔が近くにあって照れと嬉しさで抱きついた。
「…零…起きてたの…?」
「さっき起きた」
「ん…起こしてくれてよかったのに」
俺も起きたばかりだから、という言葉が優しくて。抱きついた。
「今日ポアロ、だよね」
「あぁ、…帰りなんだけど」
「零の家、でしょ?……零さえよかったら、行ってもいい?」
「ダメなわけないだろ」
察しが良くて助かる、とキスをされて。
触れるだけのキスは朝からとても甘い。
「…零、……サボり癖つきそ」
「トレーニングな……」
労わるように腰を撫でて、無理させたもんな、と笑う零。
…無理なんてしてないつもりでも、腰は重たい。
「体はすぐに鈍るから、ストレッチはしろよ」
「…はーい」
腰の違和感はあるけど、…すごく気持ちよかった。
…思い出したら恥ずかしい事ばかりしたけど。
「朝、食べられそうか?」
「作るよ、私今日オフだし…零はゆっくりしてて」
「あぁ…でも、…それなら俺も作る」
一緒に、と甘い誘い。
二人でキッチンに立ち、朝食の用意。
食べ終われば零は、スーツじゃなくて私服。…透さんへお着替え。
「…今日、ゆっくり休まれてくださいね」
「うん、…ありがとう……後で透さんの家に行くね」
「ええ…喜んで」
啄ばむようなキスに、クスクス笑い声がお互いに溢れる。
「…行ってらっしゃい」
「はい、行ってきます」
少しだけ、と舌が差し込まれて絡んですぐに離れる。
強く抱きしめられて首筋にキスをされ、体が離れると優しい透さんの表情。
少し名残惜しい気持ちを抑えて、見送った。
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