【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第63章 求め合う※裏
「俺のことなら、昨夜寝たから大丈夫だよ」
「…嘘つきは、嫌い」
嘘じゃないけど、と言いながら…背中につけられる痕。
マッサージをしてくれる零は、マッサージだけで終えてくれなくてちょっとだけ擽ったい。
「…○○、キスしたい」
耳元で囁いてくる零に振り返れば口付けをされた。
唇を舐めて重なる唇。
…幸せだなって。
「…まだ足りないのは、○○だけじゃないから」
「零………今夜はゴム…つけないでシよ?」
「……だめ」
「けち」
「その誘いは…甘すぎるんだよ」
大事にしてくれるのは、嬉しいけど。
「………今日過ぎたら…もう、そんな風に強請らないから」
「…そんなに、欲しいのか?」
零と離れる覚悟なんて、もう二度としたくない。
…こんなに反動が大きいなんて自分でも笑う。
どうしようもないくらい足りないんだ。
「…ナカ…出してって言わないから…」
「……多分それ、無理だと思うけど」
最中だと欲しがるくせに、と甘い声。
私自身、どうしてこんなにほしいのか分からない。
寂しい悲しい辛い愛おしい恋しい。
「…○○が足りない理由って」
顔が近づいてキスをしようとした途端、零の携帯が鳴る。
嫌そうな顔をした後、すぐに立ち上がって電話に出る。
…時間もそこそこだし零と話してたら時間が足りない。
零が電話中の間に脱ぎ散らかしたスーツを着る。
「…○苗字○、今日探偵事務所休めるか?」
「降谷さん?…先輩に確認します」
電話を切った零からは、甘い雰囲気が無くなっていた。
何かあったんだろうな、ととりあえず事情は後から教えてもらうとして。先輩に風邪をひいてしまってと連絡を入れた。
先輩への恩を忘れたことはないのに、融通ばかり効いてもらって申し訳なくなる。
「…降谷さん、問題なかったです」
「助かる」
「どうかされたんですか?」
「……今日、女役が用意できなくなったと」
「女役?」
「………賭博場があってな、そこで今夜テロ組織とみられる人間が現れるという情報があって」
そこに行くのは降谷さんではなかったけれど、その任務に携わるはずだった女性が2名負傷したため違う人が必要だと。
「…勿論大丈夫ですけど、2名って?もう一人はどうされるんですか」
「○苗字○と」
俺、と苦虫を潰すような顔で…
零が言った。
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