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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第58章 最後のパーツ


「○○、…前に来てください」

しばらく車を動かして、一度停まって透さんが空いている助手席の椅子を叩く。

「…様子がおかしいですよ」
「ちょっと……組織の貴方に慣れなくて」

適当な言い訳を見繕った。
動こうとしない私を、透さんがシートベルトを外し運転席から腕を引かれ…キスをした。

「……貴女のおかげで、赤井秀一を捕まえることができそうです」

違う。
私は…それを望んでいない。

「○○…?」
「零…って呼んで良い…?」

少しだけですよ、と笑って抱き上げられて…零の膝の上に。
胸板に抱きついて…願う。
どうかどんな形でも良い…零が傷つかない未来を。

「○○……今日、随分と大人しいですね」
「…ごめんなさい」

謝ることではないと言い、キスを落としてくる零に泣きそうになる。
…これ以上優しく触れると、泣いてしまって全て話したくなる弱さ。
もう大丈夫だと言って助手席に座れば、零の優しい手が頭を撫でてくる。

「…○○?」
「私…零が好きです」

俺も、と言いかける唇に指を当てて。

「貴方を愛してる」

これから先も。

「…今日は早く寝てください、明日また迎えに伺います。明日は手伝って欲しいこと沢山ありますので」
「はい」

自宅マンションまで送られて、休んでくださいとキスをされて…車から降りた。
零の車を見送って…
自宅に戻り、沖矢さんとの連絡手段のバッジを取り出した。

「沖矢さん、…沖矢さん、聞こえますか」
『はい、聞こえてますよ』
「…今からそちらに伺って良いですか」
『二人きりにならないとおっしゃってませんでしたか?』
「コナンくん、いますよね?……それに、今はそんなこと言ってる場合じゃない」

お願い。

「沖矢さん…っ……赤井さん…私を…助けて」
『……話は着いてから聞こう。ボウヤも先ほど連絡入ったからな。君がくる頃には着くだろう』
「…赤井さん…、ありがと…っ」

胸元につけてあるペアリングを外して、玄関に置いた。
…零を裏切るのに、これを着ける資格は私にはない。
大好きな貴方が、傷つかない選択のために。

万が一GPSや盗聴の可能性を考えて…服を着替え、携帯を指輪と並べて家に置いて出た。

降谷零。
私は誰より貴方を愛してる。



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