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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第55章 都合の良い存在※裏


私は…どうして零が好きなんだろう。
零からの着信に折り返していないことを思い出したのは…感情が落ち着いてから。
一度の着信後から連絡がないことを見れば、急ぎではないのだろうと思う。
…零への好きの理由を考えれば、馬鹿馬鹿しいほど素直に好きだからの理由ではいけないのか?と自分に返されて。
零を好きになるきっかけも、理由も…この気持ちも、それだけは…絶対に、不安を抱くものじゃない…そう思えば安心した。

洗った食器が二人分置いてあって。
玄関に置いている婚約指輪を取り出して…指に嵌めた。
その指を写真に撮って、零に『おやすみ』とメール添付して送ろうして…意味不明な内容だと一人笑って下書きを削除した。

これ以上なにも考えたくない。
正直今日は仕事にも、自分の感情にも疲れた。

明日になったら零に会えるだろうか。
探偵事務所行く前にポアロを覗いて…その前に、トレーニングのときに零は来てくれるかな…

そんなことを思いながら、スーツのまま眠りについた。



朝目覚めて、隣に欲しい温もりもなく。
それでも目覚めに見る自分の指にある指輪に幸せを感じる。
私は、それでいい。
私は降谷零のために生きていたい。

沖矢さんのことは忘れよう。
縁を切ることはないし、切れることもない。
ただ、沖矢さんに助けてもらったことは覚えている。
忘れるのは…彼に惹かれていた気持ちと、その理由。

スーツを脱いでこれから汗を掻くのも分かっていたけれど、シャワーを浴びてからトレーニング向かった。
時間をずらしたせいか、元からいないのか。零に会うことはなくて。

零に会いたい気持ちと、気まずい気持ちと。
会えなかったことを残念に思うより先に、安堵する自分に幻滅した。



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