【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第53章 報告※裏
「…安室さんは、敵…だよね?悪い人の」
……よくできました、と思って頭を撫でる。
「透さんはね、…彼の正義があるの。昔から」
「“昔”?」
「…相談に乗ってくれてありがとう。そろそろ透さんとこに行かなきゃ」
「あっ…それから」
まだあるの?と立ち上がろうとして足を崩した状態でコナンくんを見る。
「○○さんは、危ないことしないでね」
……零と、同じことを言うこの子が…
「…いつか、本当の姿のキミとも話してみたいな」
小さな手を引いて抱きしめた。
こんな小さな体で、大きすぎるものを抱えてる彼に。
「…僕も、○○さんの隠し事がなくなった時にまた話したい」
私の隠し事。
「その時は、透さんのこと…どれだけ大好きか話して良いってことかな」
「どうしてそうなるんだよ」
せっかく真面目な雰囲気だったのに、私の発言であっという間に崩れた雰囲気。
「どうしてって……その時が来たら、分かるよ」
本当にそろそろ行かないと透さんの仕事が終わってしまう、と立ち上がって事務所に下りる。
先輩に子守お疲れと言われて…子守してたのはコナンくんじゃないかとすら思って笑った。
もういいぞ、と言われて片付けをしてから事務所を出て…階段を小走りに下りる。
「いらっしゃいませ」
ポアロの扉を開ければ、大好きな人の笑顔がそこにあった。
透さんが支度終わるまで、カウンターに座ってカフェオレを飲んで。
いつもならさっと戻ってくるのに…梓さんと世間話をしながら遅いですね、と話していたら戻ってきた。
「すみません、在庫が気になって」
「透さんらしいや」
ではお先です、とカフェオレ代金を透さんが払って店を出た。
梓さんは今日も私たちを嬉しそうに見守る視線で見送った。
「…少し、遅かったですね?」
「私?…ちょっとね、コナンくんと遊んでたから」
「相変わらず子供好きですね」
「透さんだって、コナンくんのこと好きじゃん」
私とは違う意味で、と言えば小さく笑われて。
「それは、報告する気になったととっても良いんですか?」
「…もう、貴方に話せないことを増やしたくないですから」
だから、コナンくんと話せたのはとてもタイミングが良かった。
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