【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第46章 与えられる情報
目覚めてすぐに沖矢さんに連絡をして、上出来だと褒められた。
…褒めて欲しいのは、零相手なんだけどなぁなんてぼんやり思いながら。
ベッドの中からは出る気力は、なかった。
「…あの様子だと、二人ともよくお会いしてると思いますよ…」
「悲しそうですね」
「別に……羨ましいなぁとは思いますけど」
「それで、彼とは?」
「その報告必要ですか……シてませんよ、どうやら貴方と付き合ってるとか思ってそうだし」
「それにしては…僕のこと調べてきませんね」
「軽くは調べ済みだと思いますよ……まぁ、貴方のこと調べても普通の人っていう怪しい答えが来るんですけど」
「僕は普通ですからね」
どこがだよ、と心からの声が出た。
「君の彼に、“楠田陸道”の存在を伝えると良い」
「……誰ですか、それ」
「人に聞く前に調べると良い。…あと、これはボウヤには秘密で」
ボウヤ…あぁ、コナンくんか、と寝返りをうって…
「沖矢さん、コナンくんのこと好きですよね。…透さんもコナンくんのこと好きだし」
「君は嫌いですか?」
「…もちろん好きですけど…どうして、“あの姿”なのかなぁとは…思いますね」
「…どういう意味かは、聞かなかったことにしますよ」
やっぱり知ってるんじゃんと呟いて。
「…沖矢さん、って、本名なんですか?」
「?どうかされましたか」
「いえ、FBIに関わってる人なら…偽名なのかなってふと」
「僕に興味を?」
「いえ、…透さん、組織でなんと名乗ってるのかなぁって…」
「…いつも通りでしたね」
安室透、と名乗ってるのだろうか。
それもそうか…ベルモットさんに呼ばれてた気もする。
どうして、安室透だったんだろう。
零と透…
0と透明
「透さんに会いたい…」
「君の彼への気持ちは毎日聞かされてる側としては勘弁願いたいところですけどね」
そんなに言ってたのか、と思えば少し反省した。
変わらず話に付き合ってくれる沖矢さんは、いつ大学に行ってるのか。
そろそろ出かけますので、と通話は切れて。
ベッドから出たくなくて体を丸めた。
そういえば…零に伝えるって…
沖矢さんから与えられた、名前。
「くすだ、りくみち」
そんな名前だった気がする。
零に伝えるって…何を、と思ったけど。
インターネットを開いても出てこない情報は…
また、沖矢さんが普通ではない人だということだけは、わかった。
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