【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第45章 ベルモットと
…甘い雰囲気になりかけると、零が敬語で。
なるべく…間違えないように。
「…どこ、向かってるの?」
「……部屋に向かうと、抱きたくなるから運転してるだけだけど」
「話終わったなら、…そろそろ帰りたい」
眠たいのだとあくびを堪えながら告げれば、子供かよと笑われた。
……零の優しい雰囲気は、安心して眠くなる。
「………まぁ、…俺とゆっくり話す理由は無いか」
零が寂しそうに笑って車をUターンさせて…
帰路に向かう。
これ以上話していると…好きだって言いたくなるから寝たふりをすることにした。
車が家に近づくことを確認して、今目覚めたかのように目を開いた。
「…この辺で良いよ」
「……わかった」
ありがとう、と停まった車を降りるときに御礼を述べて車を降りた。
履き慣れないヒールに着慣れないドレス。
…もっとちゃんと、零に見て欲しかったなとぼんやり思って。
振り返って車がいるかを確かめたけど…車はいなかった。
「……零、大好きだよ」
こんな私に優しくしてくれてありがとう。
バーボンのときの零は…苦手だけど。
それでも……バーボンとベルモットは、繋がってるし…呼び出し合うことができる関係なんだなって思うと…
胸がざわついた。
ドレスもヒールも脱ぎ散らかして、化粧を落としてベッドに倒れな。
思ったより疲れてた。
高そうなドレスや靴は、私には向いてない。
目が覚めたらお風呂に入って…沖矢さんにも連絡入れないとなって。
そんなことを考えながら、ベッドに埋もれた。
…あんなに着飾ることはないから…零に抱いてもらえなかったのは少しだけ、勿体無いと思ってしまう。
その日、久しぶりに熟睡した。
零と普通に話すだけで…少しでも、前みたいに話すことが…
私に安心を与えた。
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