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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第1章 再会とキスの仕方


「先にまとめる資料がありますので事務所に行ってますね」
「おう、いつもありがとな」

毛利先輩が頭をポンポンと撫でてくるから嬉しくて。
一瞬暗くなった気持ちがまた明るくなる。

「毛利先輩がパソコン作業苦手ですからね」
「○○姉ちゃん、僕も行く~」
「じゃあコナンくんも、一緒に行こうか」

安室さんとは目を合わせず。
私はポアロを後にした。

「 ○○姉ちゃん、安室さんと知り合い?」
「え、どうして?」
「安室さんと会ったとき、泣きそうな顔になってたから。その後目も合わせてなかったし」

相変わらず鋭い子だなぁ、とパソコンを立ち上げながら会話を続ける。

「大事な人に似てたから、驚いて」
「それって、 ○○姉ちゃんが警察を辞めたきっかけの…?」
「…そうだね」

間違いではない。
あの時、警察学校時代の人たちの訃報を一度ならず何度も聞いて私が思い浮かべたのはいつも零の顔だった。

「もう会えないと、思ってたから…」

気づけば涙がこみ上げた。
ごめんなさい、とコナンくんに言ってトイレに駆け込んで。
零に会いたかった。
触れたかった。

でもその人は【別人】だと言われて。

絶対にポアロには行かない。
必要以上にあの人に近づかない。

思い出したくないんだ。
私は、大事な人を二度と失いたくない。

そのためには【大事な人を作らないこと】が一番の道だと警察を辞めたときに選んだはずなのに。

私の心を少しだけ穏やかにさせたのは先ほどの毛利先輩の手のぬくもり。
大丈夫を繰り返してトイレから出ると、コナンくんの姿はなく。
気を使ってくれたのかなと思いながらパソコン前に戻った。

昨日の依頼の内容と最新の依頼の内容をまとめることに専念した。



零。
今、あなたは何をしているの?
どうして安室透と名乗っているの。

他人の空似じゃない。
彼が降谷零なのは、間違いない。

深く追求してはいけない。
二度と関わりたくない。

そう思っても、叶うはずはないのは分かっていた。
彼は毛利先輩の弟子になったと。
これから関わらないといけない。

あくまで
他人として。





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