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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第43章 痕※裏


行為が終わった後、零が首筋の傷跡を舐めて。
疼く痛みと…感じてしまいそうな感覚に、もっと、と口にしていた。
零に与えられる痛みが、いつからこんな風になったのだろうか。
…自分が狂っているとしか思えない状況に、笑ってしまった。

しばらく抱き合って…零の腕の中で目を瞑りたくなるけれど、それが許されているのは恋人だけだと体を離した。

「……シたくなったら、いつでも呼んでいいから」

いつでも来る。零が他の女を抱くくらいなら…

「…そうやって、また油断させて情報がほしいってわけか」
「なんとでも」

…確かに、公安の動きは知りたい。
零が何を考えているのか、知りたいけれど。

「貴方だって、私の体…すきでしょ?」

顔を近づけて、イヤらしく最低に笑った。
まとめられた服を持とうとして…零がその手を止める。

「…一着くらい置いていけ。シたくなったら、呼んでいいんだろ?」

最低な繋がりでよかった。
キスをされて家のカギを…また握らされて。

「俺はお前を許さない」
「…はい」
「ただ、…それ以上に…好きだ」
「っ…」
「…狡いよな、…○○は」

許すきっかけすら与えないと零は言う。
…だって。
言えるわけないじゃない。

「…好きだ…っ」

零が、泣いていて。
涙を流しているわけじゃないけれど…
泣いているって、思った。

「どうして○○が…裏切るんだよ…っ」

ごめんなさい。
そんな声、させたいわけじゃない。
…そんな声を、してほしくない。
それが嫌で…離れようとしたのに。

早く…調べて、その時…零に、話せる報告を用意できたら…
零は褒めてくれるだろうか。

「…ごめん、帰るね」

これ以上一緒にいたら、好きだって言いたくなる。
これ以上一緒にいたら、目的を忘れてしまう。

抱きしめる零の腕から逃げ出すように…家を飛び出した。

零は、追ってこなかった。




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