【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第42章 裏切り
お風呂に入る私に、扉越しに着替えを用意しましたと声掛けられて。
ありがとうございます、と声を返した。
これ以上…抱かれないつもりだったのに。
零に会いたい。
…触れたいと思えば、私は赤井秀一を思いだして吐き気がする。
どうして。
なんで。
考えればわかること、と沖矢さんは言ったけれど…考えたくない。
私が零とスるように…喘いだことなんて。
「お風呂、ありがとうございました」
「すっきりされましたか」
「…おかげさまで」
「よかったです、疲れているようでしたら寝室使って問題ありませんよ」
「…いえ、帰ります。泊まるのは、だめかなって」
お酒飲んでいるので送れませんからタクシー呼びますか、と言われて。
「あ、その前に………相談があります」
帰る前に。
「…私、今“バーボン”である彼から指示を受けていて…赤井秀一、工藤新一、江戸川コナン、毛里小五郎を調査しろって」
「ほう」
本当は降谷零にだけど。
「…これ以上、なにもないって言い続けると彼が動く気がするんです」
「もうすでに動いている…らしいですけどね」
「らしい、ですか」
「ええ」
らしい、ですと。
「何を根拠に」
「貴女です」
…自信たっぷりな沖矢さんの返答。
「……わかりません」
「考えるのをやめたからですよ」
わかりたくない。
なにも。
零のことを考えると
「赤井秀一の顔が…浮かんで」
「………○○さん、赤井秀一を調べてたどり着いたなら…本当のことを教えてあげますよ」
“本当のこと”
「沖矢さんは相変わらず…わからない人だなぁ」
「貴女が分かり易いだけですよ」
近づいてくる沖矢さんの唇を受け入れた。
舌が混ざって…気持ちが良い。
沖矢さん…キス、好きなんだなって思う。
私も好きだけど…
「だから、しっかりと考えてください。…その先は、貴女が傷つかない答えのはずです」
「…学校の先生みたい」
冗談めかして抱き着いて。
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